Amazon以外のモール運用によるリスク分散
一つのプラットフォームに依存しすぎないための考え方
Amazonでの販売が事業の売上の大部分を占めている状態で、アカウントが停止されると、事業全体が一時的に立ち行かなくなるリスクがあります。停止からの復活には数週間〜数ヶ月を要することもあるため、その間の売上をどう確保するかは、多くの出品者にとって切実な問題です。
こうしたリスクを軽減する方法の一つが、楽天市場やYahoo!ショッピング、自社ECサイトなど、複数の販売チャネルを並行して運用することです。すべての売上をAmazonに依存する体制から脱却しておくことで、仮にAmazonアカウントが停止しても、事業自体を継続できる可能性が高まります。
複数モールを運用する際の注意点として、在庫管理の一元化が挙げられます。各モールで在庫数を個別に管理していると、売り越し(在庫がないのに注文を受けてしまう状態)が発生しやすくなり、これが新たな停止リスク(配送遅延、キャンセル率の悪化)につながることがあります。在庫管理システムやツールを使って、複数チャネルの在庫を一元的に管理する体制を整えることをおすすめします。
また、複数モールでの顧客対応リソースの配分にも注意が必要です。Amazonでの顧客対応品質を落とさないようにしながら、他のモールにも人員や時間を割く必要があるため、事業規模に応じて無理のない範囲でチャネルを増やすことが大切です。急激に販売チャネルを増やしすぎると、結果的にどのチャネルでも対応品質が低下し、前述の「顧客対応品質の低下による停止」リスクを高めてしまう可能性があります。
自社ECサイトを持つことには、プラットフォームのルールに依存しないというメリットもあります。集客力ではモールに劣る面がありますが、既存顧客のリスト(メールアドレスなど)を自社で保有できるため、仮にAmazonアカウントが停止しても、既存顧客への直接的なアプローチ手段を残しておくことができます。
リスク分散は、停止を経験してから慌てて着手するのではなく、事業が軌道に乗り始めた早い段階で計画的に進めておくことが望ましい対策です。