Amazonへの申立て文(Plan of Action、略してPoA)は、3つの要素でまとめると、審査する人に状況が伝わりやすいといわれています。3つの要素とは、「問題の根本原因」「これまでに行った是正措置(問題を直すためにしたこと)」「再発防止策」です。この3つをバランスよく入れるのが、申立て文の基本の形です。
停止の通知を受け取って、何をどう書けばいいのか分からず、手が止まっている方も多いと思います。大丈夫です。材料を集めて、順番に整えていけば、落ち着いて書き進められます。この記事では、書き方の流れと、つまずきやすい点をやさしくまとめました。
申立て文は3つの要素で組み立てるのが基本です
申立て文とは、停止や制限の理由について、自分の状況と改善の内容をAmazonに伝える文章のことです。ひとことでいえば、「何が起きたのか」「どう直したのか」「これからどう防ぐのか」を、順番に説明する文書です。
- 根本原因:事実をもとに、一歩深いところまで掘り下げて説明する
- 是正措置:通知のあとにすでに行った、具体的な行動を示す
- 再発防止策:個人の注意力ではなく、体制や仕組みを変えることとして示す
この3つは、どれか1つだけ厚く書けばよいものではありません。原因だけが詳しくて再発防止策が薄いと、「同じことがまた起きるかもしれない」と見られることがあります。反対に、再発防止策ばかりを並べて原因がぼんやりしていると、「何を直したのか分からない」と受け取られやすくなります。
まずは、この3つの形をつかんでおけば十分です。細かい書き方は、このあとの見出しで一つずつ見ていきますね。
なぜ3つの要素が見られるのか、その仕組み
審査する人は、毎日たくさんの申立てを読んでいます。短い時間で「問題の理由が分かっているか」「もう直したか」「この先は大丈夫そうか」を判断するには、この3つがそろっていると読み取りやすいのです。
ここで大切なのは、気持ちの訴えではなく、事実を中心に書くことです。停止で受けた経済的な打撃や、事業への影響を伝えたくなるお気持ちは、とてもよく分かります。ただ、審査する人が知りたいのは「何が起きたのか」「どう改善したのか」です。困っている状況そのものではありません。
また、具体的でない文章は、「テンプレートをそのまま使っただけ」という印象を与えてしまうことがあります。日付、注文番号、対応した内容など、その人の状況でしか書けない事実が入っていると、自分の言葉で書かれた文章だと伝わりやすくなります。
なお、審査の細かい基準は公開されていない部分もあります。手順や画面は変わることがあるので、提出の前には、Amazonの最新の公式情報も見ておきましょう。
申立て文を書く手順|5つのステップ
いきなり文章を書き始めるより、材料を集めてから整えるほうが、ずっと楽に進みます。次の順番で進めてみてください。
- ステップ1:通知を読み直す 停止や制限の理由として、通知に書かれた論点をすべて拾い出します。複数あるときは、番号を振っておくと便利です。
- ステップ2:事実を書き出す 日付、注文番号、やりとりの内容、自分が対応したことを、時間の順にメモします。文章の形は気にしなくて大丈夫です。
- ステップ3:原因を掘り下げる 「なぜそうなったのか」を、もう一歩深いところまで考えます。
- ステップ4:3つの要素の形に整える メモを、根本原因・是正措置・再発防止策に振り分けて、文章にします。
- ステップ5:読み返して仕上げる 時間をおいて読み直し、できれば第三者にも見てもらいます。
申立て文は、一度で完璧に仕上げようとしなくて大丈夫です。まず事実を書き出してみて、そのあとで3つの要素(根本原因・是正措置・再発防止策)の形に整え直してみましょう。この2段階で進めると、抜けや漏れの少ない文章に仕上げやすくなります。
申立て文の長さについても、よくご質問をいただきます。長ければよいわけではなく、審査する人が短い時間で状況をつかめることが大切です。目安は、日本語で800〜1500文字ほどです。根本原因・是正措置・再発防止策のそれぞれに、具体的な事実を1つ以上入れるよう意識すると、読みやすく説得力のある文章になりやすい傾向があります。長い前置きや、おわびのくり返しは、本題に入るまでを長くしてしまいます。できるだけ短くまとめましょう。
下書きができたら、少し時間をおいてから読み返すのも効果的です。書いた直後は頭の中で状況が整理されているので、おかしなところに気づきにくいものです。一晩おいてから読み直すと、話の飛びや説明不足に気づきやすくなります。
申立て文を書き上げたら、第三者の目で読み返してみることをおすすめします。自分では十分に書けたと思っていても、事情を知らない人が読むと、話が飛んでいたり、根拠が足りなかったりすることがあります。できれば専門家にも一度見てもらうと、こうした見落としを減らせます。
根本原因を書くときに気をつけること
「問題の根本原因」では、なぜ停止になったのかを、気持ちを交えずに事実として説明します。たとえば「出荷が遅れてしまった」と結果だけを書くのではなく、「なぜ遅れたのか」まで、もう一歩踏み込んで書きましょう。在庫管理システムの不具合、人手不足、外部委託先との連絡不足などが、その例です。
大切なのは、気持ちの訴えや状況の説明だけで終わらせないことです。日付、注文番号、対応した内容といった具体的な事実を、時間の順に示してみてください。「気をつけます」のような漠然とした言い方だけだと、再発防止策としては足りないと見られやすい傾向があります。審査する人は毎日たくさんの申立てを見ています。具体的でない文章だと、「テンプレートをそのまま使っただけ」という印象を与えてしまいます。
掘り下げ方のイメージを、たとえばで書いてみます。「出荷が遅れた」→「在庫の数が実際と合っていなかった」→「在庫管理システムと出品ページの数がずれていた」→「ずれに気づく確認の手順がなかった」。このように「なぜ」を重ねていくと、直すべき点がはっきりしてきます。
書くときは、外部委託先や他の人のせいにしすぎないことも大切です。事実として関わりを説明するのはかまいませんが、「管理する側としてどこが足りなかったか」まで書けていると、状況を受けとめている文章として読まれやすくなります。
- 時間の順に並べて、いつ・何が起きたかが分かる
- 日付や注文番号など、確認できる事実が入っている
- 「なぜ」を2〜3段階は掘り下げている
- 気持ちの訴えより、事実の説明が中心になっている
- 通知に書かれた論点を、すべて取り上げている
是正措置と再発防止策の書き方
「これまでに行った是正措置」では、通知を受け取ってから今までに、実際にしたことを書きます。たとえば、問題のあった在庫を確認して直した、外部委託先との契約内容を見直した、返金の手続きを終えた、といった具体的な行動です。「これから改善します」という先の約束だけでなく、「ここまでもう行いました」という実績を示すと、説得力が高まります。
ここでいう実績は、あくまで実際にしたことだけを書きます。していないことを書いたり、大きく見せたりしてはいけません。やったことが少なくても、事実をそのまま書くほうが安心です。できることが足りないと感じたら、申立ての前に、先にできる対応を進めておきましょう。
「再発防止策」は、体制の変更をともなう内容のほうが、よい評価を受けやすい傾向があります。「今後は気をつけます」のように個人の注意力に頼る方法より、仕組みや手順を変える方法のほうが、続けて改善できるものとして受け取られやすいからです。たとえば、在庫アラートの自動化、外部委託先の追加、返信時間の目標づくりとその運用体制などがあります。
再発防止策を書くときは、「何を」「いつから」「誰が」行うのかが分かると、より具体的になります。「毎朝、担当者が在庫数を確認する」「在庫が一定数を下回ったら通知が届くように設定した」のように、実際の運用が目に浮かぶ書き方を目指してみてください。
つまずきやすい点と、よくある失敗パターン
よくある失敗の一つが、おわびから始めて、そのまま気持ちの訴えで終わってしまうものです。停止で受けた経済的な打撃や、事業への影響を、切実に伝えたくなるお気持ちはよくわかります。ただ、審査する人が知りたいのは「何が起きたのか」「どう改善したのか」という事実です。困っている状況そのものではありません。
もう一つの失敗は、停止の理由がいくつか重なっているのに、一つの理由にしか触れずに出してしまうことです。通知に書かれた理由を全部洗い出さずに申立て文を作ると、「わかっている問題の範囲がせまい」と見られて、あらためて追加の説明を求められることがあります。出す前に、通知文に書かれた論点をすべて拾えているか、一つずつ確かめるクセをつけておきましょう。
このほかにも、つまずきやすい点があります。出す前に、次のリストで確かめてみてください。
- おわびや気持ちの訴えが、文章の大半をしめていないか
- 根本原因が、「遅れた」「違反した」のような結果だけで終わっていないか
- 再発防止策が、「気をつけます」だけになっていないか
- 通知にある理由を、すべて取り上げているか
- インターネットで見つけた例文を、そのまま写していないか
- 日付や数字、注文番号に、書き間違いがないか
状況別の考え方
申立て文の考え方は、状況によって少しずつ変わります。よくある場面ごとに、ポイントを見てみましょう。なお、停止の理由によって必要な内容は違うため、ここでは考え方の目安としてお読みください。
- 出荷の遅れなど、運用の問題が原因のとき:在庫の管理や連絡の流れなど、仕組みのどこでずれたかを書きます。再発防止策は、確認の手順やツールなど、運用を変える内容が中心になります。
- 停止の理由が複数重なっているとき:理由ごとに、原因・是正措置・再発防止策を分けて書くと、読む人が迷いません。共通する原因があれば、まとめて説明しても大丈夫です。
- 理由がよく分からないとき:通知の文面と、アカウントの状況の画面を見直して、心当たりを一つずつ確かめます。分からない部分は、分からないと正直に書いたうえで、確認できた範囲の事実を示します。
- 一度断られたあとに出し直すとき:前回の文章と、返ってきた内容を並べて比べます。足りなかった点(証拠資料、具体性、つじつま)を補って、中身を変えたうえで出し直します。
- 自分で書くのがむずかしいとき:まずはたたき台を作る、第三者に読んでもらう、専門家に相談するなど、助けを借りる方法もあります。
どの場合でも、共通しているのは「事実を、順番に、具体的に」という点です。状況が複雑でも、この3つを意識すると整理しやすくなります。
返事を待っている間にできること
申立て文を出したあとは、返事を待つ時間が続きます。結果がいつ届くかは、ケースによって違います。気持ちが落ち着かない時期ですが、待つあいだにもできることがあります。
- 通知メールや画面のやりとりを、日付つきで保存しておく
- 申立て文の控えと、添えた資料を、すぐ見つけられる場所にまとめる
- 再発防止策に書いた内容を、実際に続けて運用する
- 通知に新しい案内が届いていないか、こまめに確認する
- Amazonの最新の公式情報を、ときどき見直す
とくに、再発防止策として書いたことは、実際に動かしておきましょう。書いた内容と実際の運用がずれていると、あとで説明に困ることがあります。
待っているあいだは、気持ちがすり減りやすいものです。返事を待ちながら、休む時間もつくってくださいね。内容を変えずに何度も出し直すと、かえって印象を悪くしてしまうこともあるので、あせらず待ちましょう。
よくある質問
申立て文(PoA)には、何を書けばよいですか?
「問題の根本原因」「これまでに行った是正措置」「再発防止策」の3つが基本です。それぞれに、日付や注文番号などの具体的な事実を入れるようにしましょう。
まず事実を書き出して、そのあとで3つの形に整える、という2段階で進めると書きやすくなります。
申立て文の長さは、どのくらいが目安ですか?
目安は、日本語で800〜1500文字ほどです。長ければよいわけではなく、審査する人が短い時間で状況をつかめることが大切です。
長い前置きや、おわびのくり返しは、本題に入るまでを長くしてしまいます。できるだけ短くまとめましょう。
申立て文のテンプレートや例文は、そのまま使ってもいいですか?
形をつかむための参考にするのはよいことです。ただ、そのまま使うと、「テンプレートをそのまま使っただけ」という印象を与えてしまうことがあります。
例文は骨組みとして見て、中身は自分の事実に置きかえましょう。日付、注文番号、実際に行った対応は、自分の状況でしか書けない部分です。
申立てが断られたら、同じ内容で出し直してもいいですか?
同じ内容をそのまま送り直しても、結果が変わることはほとんどありません。断られた理由をていねいに読んで、前回足りなかったところ(証拠資料、具体性、説明のつじつまなど)を補ってから出し直すのが基本です。
内容を変えずに何度も出し直すと、「状況をわかっていない」という印象を与えてしまうこともあります。
再発防止策が思いつきません。どう考えればよいですか?
根本原因で掘り下げた点に、「次は同じことが起きないようにする仕組み」を一つずつ対応させてみてください。たとえば、確認の手順を決める、アラートを自動化する、担当を増やす、といった形です。
「気をつけます」のように個人の注意力に頼る内容より、仕組みや手順を変える内容のほうが、続けて改善できるものとして受け取られやすい傾向があります。
申立て文は、専門家に見てもらったほうがよいですか?
どうしても必要というわけではありません。ただ、自分では十分に書けたと思っていても、事情を知らない人が読むと、話が飛んでいたり、根拠が足りなかったりすることがあります。
できれば専門家にも一度見てもらうと、こうした見落としを減らせます。まず身近な人に読んでもらうだけでも、気づくことは多いです。
通知に書かれた理由が、いくつも重なっています。どう書けばよいですか?
理由ごとに、原因・是正措置・再発防止策を分けて書くと、読む人が迷いにくくなります。一つの理由にしか触れずに出すと、追加の説明を求められることがあります。
出す前に、通知文の論点をすべて拾えているか、一つずつ確かめておきましょう。
注意点
申立て文では、事実を正直に書くことが大前提です。していない対応を書いたり、状況を大きく見せたりすることは、してはいけません。Amazonの規約の範囲内で、ありのままの事実と、実際に行った改善を伝えることが大切です。
また、この記事でお伝えしている書き方は、一般的な考え方の目安です。申立て文を書いたからといって、結果が決まるわけではありません。通るかどうか、返事がいつ届くかは、ケースによって違います。
Amazonの手順や画面、案内の内容は、変わることがあります。提出の前には、最新の公式情報を確認しましょう。迷うときは、一人で抱えこまず、専門家に相談する方法もあります。
まとめ
申立て文は、「問題の根本原因」「これまでに行った是正措置」「再発防止策」の3つをバランスよく入れるのが、基本の形です。気持ちの訴えより、日付や注文番号などの具体的な事実を、時間の順に書くことが大切です。
まず事実を書き出して、そのあとで3つの形に整える。書き上げたら、少し時間をおいて読み返し、できれば第三者にも見てもらう。この流れで進めれば、抜けや漏れを減らせます。断られたときも、足りなかった点を補えば、出し直す道があります。落ち着いて、一歩ずつ進めていきましょう。