Amazonの注文不良率(ODR)が1%を超えて出品が止まったときは、どの注文が数字を押し上げたのかを特定し、原因ごとに対策をまとめて改善計画書で伝えるのが基本の進め方です。注文不良率は、低い評価、Amazonマーケットプレイス保証の申請、チャージバックの3つから計算されます。中身を分けて見れば、何を直せばいいのかは意外とはっきりしてきます。
数字で判断されると、まるで自分が悪い出品者だと言われているようで、落ち込んでしまいますよね。でも、注文不良率は原因を一つずつ確かめられる指標です。この記事では、仕組みから改善の手順、申立てで伝えることまで、順番に整理しました。
注文不良率(ODR)とは何か
注文不良率は、一定の期間の注文のうち、購入者にとって良くない体験につながった注文がどれくらいあったかを示す割合です。Amazonは、出品者のアカウントの健全性を見るための大事な指標の一つとして扱っています。
目安として、注文不良率は1%未満に保つことが求められています。たとえば一定の期間に200件の注文があれば、良くない体験につながった注文が2件を超えると、1%を上回ることになります。注文の数が少ないうちは、数件の問題でも割合が大きく動きやすい点に気をつけてください。
ほかにも、出荷遅延率(目安は4%未満)、出荷前キャンセル率(目安は2.5%未満)、追跡可能率(目安は95%以上)など、いくつかの指標があります。注文不良率はそのなかでも、購入者の体験に直接かかわる重要な数字です。
注文不良率を押し上げる3つの要素
注文不良率は、次の3つの要素を合わせて計算されます。どれが多いのかによって、取るべき対策がまったく違ってきます。
- 低い評価:購入者がつけた出品者評価のうち、星1や星2などの低い評価
- Amazonマーケットプレイス保証の申請:商品が届かない、説明と違うなどの理由で、購入者がAmazonに保証を求めたもの
- チャージバック:購入者がクレジットカード会社に支払いの取り消しを求めたもの
一つの注文で、低い評価と保証の申請が両方あった場合も、不良な注文としては1件として数えられるのが一般的です。まずは、どの要素が何件あるのかを、アカウント健全性のページで確認しましょう。
割合を下げるには、問題のある注文を減らすことが基本です。注文の数を急に増やして割合を下げようとするのは、根本的な解決にならないだけでなく、出荷が追いつかなくなって別の指標が悪くなるおそれもあります。
計算の例で見る注文不良率
数字のイメージをつかむために、仮の例で計算してみましょう。ここでの数字は説明のための仮の例で、実際の計算方法や期間はアカウント健全性のページの表示を確かめてください。
- 期間中の注文が300件、不良な注文が3件の場合:3÷300=1.0%(目安ぎりぎり)
- 期間中の注文が300件、不良な注文が5件の場合:5÷300=約1.7%(目安を超えている)
- 期間中の注文が80件、不良な注文が2件の場合:2÷80=2.5%(少ない注文数だと、数件で大きく上がる)
この例から分かるように、注文の数が少ないほど、一件の問題が割合に大きく響きます。始めたばかりの出品者や、注文が少ない時期は、特に一件ずつの対応を丁寧にすることが大切です。
また、計算の対象になる期間は一定なので、問題のあった注文が期間から外れていけば、割合は少しずつ下がっていきます。焦って数字だけを追いかけるより、新しく問題が起きないようにすることが、結果的にいちばん早く数字を戻す方法になります。
数字を押し上げた注文を見つける手順
改善の第一歩は、どの注文が注文不良率に数えられているのかを、一件ずつ確かめることです。次の順番で進めると、原因が見えやすくなります。
- アカウント健全性のページで、注文不良率の内訳(低評価・保証申請・チャージバック)を確認する
- 内訳ごとに、対象になった注文の一覧を開き、注文番号と日付を書き出す
- 注文ごとに、購入者とのやり取り、出荷の記録、商品の状態を確認する
- 共通している原因(同じ商品、同じ時期、同じ配送方法など)がないかを探す
- 原因ごとに件数をまとめ、どれから手をつけるかを決める
書き出してみると、「特定の商品で説明と違うという申請が続いている」「ある時期に発送が遅れて低評価が重なった」のように、原因が一つか二つに絞れることがよくあります。そこが見えれば、改善計画書に書く中身も決まってきます。
やり取りの記録は、あとで申立てに使うことがあるので、スクリーンショットやメモで残しておきましょう。日付と注文番号がそろっていると、説明に説得力が出ます。
原因別の対策
原因によって、取るべき対策は変わります。よくあるパターンと、その対策の例を紹介します。
商品が説明と違うと言われる場合
商品ページの説明、画像、サイズや仕様の記載が、実際の商品と合っているかを見直しましょう。誤解を招きやすい表現があれば修正し、問題の多い商品は、原因がはっきりするまで出品を止めることも考えます。
商品が届かない、届くのが遅い場合
発送までの日数の設定が無理のないものになっているか、追跡番号を正しく登録しているかを確かめます。自己発送で遅れが続いているなら、発送の締め切り時刻を早める、FBAの利用を検討するなどの方法があります。
購入者とのやり取りで不満が生まれている場合
問い合わせへの返信が遅れていないか、言葉づかいで誤解を生んでいないかを振り返りましょう。返信の目安時間を決め、よくある質問への返事を用意しておくと、対応の質がそろいます。
どの対策も、「すでにやったこと」と「これから続けること」に分けて整理しておくと、改善計画書にそのまま使えます。
つまずきやすい点と対処
注文不良率で出品が止まったときに、つまずきやすいポイントがいくつかあります。前もって知っておくと、遠回りを避けられます。
- 原因を一言でまとめてしまう:「配送の問題でした」だけでは伝わりません。どの注文で、何が起きたのかを具体的に書きましょう
- 購入者のせいにする:不当な評価があったとしても、申立てでは自分の側で改善できることを中心に書くほうが伝わります
- 対策が一時的なものだけ:その場しのぎの対応だけでなく、続けられる仕組みを再発防止策として書きましょう
- 評価の削除だけに頼る:削除できる評価もありますが、それだけで解決しないことが多いです
不当だと感じる低評価がある場合は、削除を依頼できる条件に当てはまるかを確かめてみてください。依頼の方法は、別の記事でくわしく紹介しています。
状況別の考え方
注文の数が少ない出品者は、数件の問題でも割合が大きく動きます。この場合は、一件一件の注文の質を上げることに集中するのが近道です。問題が起きた注文の原因を丁寧に説明し、同じことが起きない仕組みを示しましょう。
注文の数が多い出品者は、特定の商品や時期に問題が集中していないかを探すのが効果的です。全体の運営を見直すより、原因のはっきりした部分を直すほうが、改善の効果が数字に表れやすくなります。
FBAを使っている場合でも、商品の説明や状態が原因の申請は、出品者側の対策が必要です。配送はAmazonに任せていても、商品ページの正確さと商品の品質は、出品者が責任を持つ部分だと考えておきましょう。
改善計画書で伝えること
出品が止まったあとは、改善計画書で原因と対策を伝えて、再開を求めることになります。注文不良率が理由の場合は、数字の内訳と、原因ごとの対策を結びつけて書くと伝わりやすくなります。
- 原因:どの要素(低評価・保証申請・チャージバック)が何件あり、それぞれ何が原因だったか
- すでに行った対策:商品ページの修正、問題のある商品の出品停止、発送方法の見直しなど
- 再発防止策:指標を確認する頻度、問い合わせ対応のルール、出品前の確認の手順など
改善計画書は、長く書けばいいわけではありません。原因と対策が一つずつ対応していて、読んだ人が「これなら同じことは起きにくい」と思える内容を目指しましょう。
出品前に確かめたいチェックリスト
再発を防ぐには、問題が起きてから対応するより、出品する前に防ぐほうが確実です。新しく出品するときや、商品ページを直すときに、次の項目を確かめる習慣をつけましょう。
- 商品名、画像、説明が、実際の商品とすべて合っている
- サイズ、色、数量、付属品などの記載に間違いがない
- 中古品の場合、コンディションの説明が正直で具体的になっている
- 発送までの日数の設定が、無理なく守れる日数になっている
- 在庫の数が、実際の在庫と合っている
このチェックリストを紙やメモにして手元に置いておくと、忙しいときでも確認を忘れにくくなります。改善計画書に再発防止策として書いた内容とも、つながりを持たせることができます。
再開を待っている間にできること
申立ての結果を待つ間も、できることはあります。再開したあとに数字をすぐ保てるよう、準備を進めておきましょう。
- アカウント健全性のページを毎日見る習慣をつける
- 問い合わせへの返信の目安時間を決めておく
- 商品ページの説明と画像を、すべての出品について見直す
- 在庫が少なくなったら出品を止めるなど、無理のない運営ルールを書き出す
準備を進めることは、改善計画書に書いた再発防止策を、実際に続けている証拠にもなります。小さなことから始めて大丈夫です。
よくある質問
注文不良率は、どのくらいの期間で計算されますか?
一定の期間の注文をもとに計算され、よく60日間の注文が対象だと案内されています。ただし基準は変わることがあるため、アカウント健全性のページで最新の表示を確かめてください。
注文不良率が1%を超えたら、すぐに停止されますか?
1%を超えたからといって、すぐに停止されるとは限りません。ただ、超えた状態が続くと出品が止まるおそれが高くなります。超えそうなときは、早めに原因を調べて対策を始めましょう。
低評価を削除してもらえば、注文不良率は下がりますか?
削除の条件に当てはまる評価が削除されれば、その分は計算から外れることがあります。ただ、削除できる評価は限られているので、原因への対策とあわせて進めることが大切です。
注文の数を増やせば、割合は下がりますか?
計算上は下がることもありますが、問題のある注文が減ったわけではないので、根本的な解決にはなりません。出荷が追いつかずに、ほかの指標が悪くなるおそれもあります。
FBAを使っていても、注文不良率で停止されることはありますか?
あります。配送はAmazonに任せていても、商品の説明や品質が原因の申請や低評価は、出品者側の問題として数えられることがあります。
注意点
注文不良率を下げたいからといって、購入者に評価の変更をしつこく頼んだり、見返りを約束して評価を求めたりするのは、規約違反になるおそれがあります。かえって状況を悪くすることがあるので、避けてください。
また、指標の基準や画面は変わることがあります。この記事は一般的な情報としてまとめていますので、最新の基準はセラーセントラルで確かめましょう。
分からないことがあれば、ひとりで抱えこまずに、早めに誰かに相談してみてください。
まとめ
注文不良率は、低い評価、マーケットプレイス保証の申請、チャージバックの3つから計算されます。出品が止まったら、まず内訳と対象の注文を一件ずつ確かめ、原因ごとに対策をまとめましょう。改善計画書では、原因と対策を結びつけて具体的に伝えることが大切です。再開を待つ間も、指標を見る習慣や運営ルールを整えておくと、同じことをくり返しにくくなります。