「バイヤーからの信頼度の低下」を理由にアカウントが止められるとき、原因は一つ一つのクレームよりも、問い合わせへの返事が遅いことや、対応の質が下がり続けていることにある場合が多いです。防ぐ近道は、返事にかける時間の目標を決めること、忙しい時期でも回る体制をつくること、そして記録を残しておくことです。
「ちゃんとやっているつもりなのに…」と戸惑っている方も多いと思います。忙しいと問い合わせは後回しになりがちで、多くの出品者に起こりうることです。すでに止められてしまった方も、これから備えたい方も、ひとつずつ整えていけば大丈夫です。
結論:返事の速さと質を「仕組み」で守る
単発のクレームなら、大きな問題にならないことが多いです。ただ、それが積み重なると、アカウント全体の信頼性をはかる指標として見られることがあります。ですから、1件ごとの対応に気をもむよりも、全体が安定して回る仕組みをつくるほうが効果的です。
仕組みづくりの柱は、次の3つです。
- 返事にかける時間の目標を決める:「いつまでに返すか」を自分のルールにします
- 忙しい時期の体制を用意する:カスタマーサポートを外部にお願いしたり、人を増やしたりして対応します
- 記録を残す:返事にかかった時間や、まだ返事をしていない問い合わせの数を書きとめます
この3つは、停止を防ぐためだけでなく、もし止められたあとに出す改善計画書(Amazonに「こう直します」と伝える書類)でも土台になります。体制の変更を具体的に書けると、よい評価につながりやすくなります。ただし、結果はケースによります。
なぜ顧客対応が停止につながるのか
Amazonは、出品者が購入者へ返事をするまでの時間や、問い合わせへの対応の状況を、ずっと見ています。1日2日の遅れで、すぐに停止されるわけではありません。遅れが続いたり、対応の質が下がり続けたりすると、「購入者からの信頼が下がっている」と見られる可能性があります。
忙しい時期に問い合わせが集中して、対応が追いつかなくなると、この指標は悪くなりやすいです。セールや年末など、注文が増える時期は特に注意が必要です。注文が増えると、問い合わせも自然と増えるからです。
いくつかの販売チャネルを同時に運営している場合は、Amazonからの問い合わせが後回しになりがちです。たとえば、自社サイトや別のモールの対応に追われて、Amazonのメッセージに気づくのが遅れる、といった形です。そこには気をつけましょう。
対応の質が下がるのは、返事が遅いときだけではありません。返事の中身にも関わります。決まった文章だけの返事が続くと、購入者からの評価が下がりやすくなります。早く返しても、質問に答えていない返事では、安心してもらえないからです。
よくある原因を整理すると、次のようになります。当てはまるものがないか、見てみてください。
- 問い合わせの通知に気づく人が1人だけで、不在のときに止まってしまう
- 繁忙期に注文は増えたのに、対応する人数は変えていない
- 複数のチャネルの問い合わせが、バラバラの場所に届いている
- テンプレートをそのまま送っていて、質問への答えになっていない
- 外部にお願いした先の対応を、こちらで確かめていない
手順:対応体制をつくる5つのステップ
むずかしい準備は必要ありません。次の順番で、できるところから始めてみてください。
- ステップ1:窓口を洗い出す。Amazonのバイヤーメッセージの届き先、通知メールの宛先、ほかのチャネルの問い合わせ先を書き出します
- ステップ2:返事の時間の目標を決める。たとえば「24時間以内」のように、自分たちが守れる数字にします
- ステップ3:記録のしくみを作る。カスタマーサポート用のツールやスプレッドシートに、問い合わせの日時・返事をした日時・対応の内容を書きとめます
- ステップ4:返事の型を作る。テンプレートを用意しつつ、相手の状況に合わせた一言を添えるルールにします
- ステップ5:忙しい時期の人手を決める。外部へのお願いや人の増員を、混み合う前に決めておきます
ステップ2の目標は、高すぎても続きません。休日や不在の日も含めて、無理なく守れる範囲で決めることが大切です。そのうえで、守れているかを記録で確かめます。Amazonが求める基準は変わることがあるので、最新の公式情報も合わせて確認しましょう。
ステップ3の記録は、停止されたときに状況をわかりやすく説明するための材料にもなります。ふだんから、返事までにかかった時間や、まだ返事をしていない問い合わせの数を残しておくと安心です。凝った表は要りません。日付と時刻、内容の一言メモがあれば十分です。
ステップ4では、テンプレートを使うこと自体は悪くありません。大事なのは、相手の質問にきちんと答えているかどうかです。「ご連絡ありがとうございます」のあとに、相手の状況に触れる一言を入れるだけで、印象は変わります。
返事を書くときは、次の3点を入れておくと、相手に伝わりやすくなります。
- 受け止める一言:お待たせしたことや、困っていることへの気づかいを短く伝えます
- 質問への答え:聞かれたことに、いちばん先に答えます
- 次にすること:このあと何が起こるのか、いつごろになりそうかを書きます
たとえば配送についての問い合わせなら、荷物の状況を調べたうえで、わかっているお届けの見通しを伝えます。そして、変更があればこちらから連絡することを添えます。これだけで、「ちゃんと見てくれている」と感じてもらいやすくなります。わからないことを、わかったふりで書かないことも大切です。
つまずきやすい点と対処
体制を作っても、うまく回らないことがあります。よくあるつまずきと、その対処をまとめました。
- 通知に気づかない:通知メールの宛先を複数人にして、1日に何回か確認する時間を決めましょう
- 休みの日に止まってしまう:交代で見る日を決めておくと、誰かが休んでも回ります
- 早く返しても中身が薄い:返事の前に、相手の質問を一度読み返す習慣をつけてみてください
- 目標を決めたのに続かない:目標が厳しすぎるかもしれません。守れる数字に見直しましょう
- 外部にお願いして安心してしまう:お願いした先の返事を、ときどきこちらで読んで確かめましょう
外部にお願いするときは、お願いした先の対応の質が、そのまま自社アカウントの評価につながることを覚えておきましょう。契約を結ぶときには、対応する時間や対応の質についての基準を、はっきり決めておくことをおすすめします。あとから「そこまで決めていなかった」とならないようにするためです。
また、問い合わせの数が急に増えたときは、ひとりで抱え込まないことも大切です。早めに人手を増やす判断ができると、遅れが積み重なるのを防げます。
強い言葉のクレームが届くと、気が重くなって、返事を後回しにしてしまうことがあります。そんなときは、まず注文の状況やこれまでのやり取りなど、事実を見直しましょう。そして、わかっていることだけを短く返します。
調べるのに時間がかかる場合は、「調べて、いつごろ連絡します」と先に伝えるだけでも、相手の不安は小さくなります。そのあとで、約束した時期までに連絡することを忘れないようにしましょう。
状況別の考え方
今の状況によって、まず取り組むことは少し変わります。近いものを見てみてください。
- まだ止められていない場合:ステップ1〜3から始めましょう。記録だけでも先に始めておくと、あとで役に立ちます
- 繁忙期が近い場合:人手の用意を最優先にします。外部へのお願いも、混み合う前に話をしておくと落ち着いて進められます
- 複数のチャネルで販売している場合:問い合わせが届く場所を、できるだけ1か所で見られるようにまとめましょう
- 外部にお願いしている場合:基準が契約に書かれているかを見直し、返事の内容を定期的に確かめます
- ひとりで運営している場合:1日のうち決まった時間に、問い合わせをまとめて見る方法が続けやすいです
- すでに止められている場合:改善計画書で、体制の変更を具体的に示すことが中心になります。下の「待っている間にできること」も参考にしてください
ひとりで運営していると、体調をくずしたときや、出かける日に見られなくなることがあります。見られない日が先にわかっているなら、代わりに見てくれる人を前もって決めておきましょう。
ただし、ログインのためのIDやパスワードを人に教えて共有するのは避けてください。Amazonには、ほかの人に権限を渡すための仕組みがあります。規約の範囲で任せられる方法を、公式の情報で確認しましょう。
改善計画書では、ただ「気をつけます」と書くだけでは足りません。「返事にかける時間の目標を24時間以内に決め、対応するスタッフを増やした」というように、具体的で、あとから確かめられる改善策を示すことが大切です。数字や人数を書くときは、実際に行っていることだけを書きましょう。
対応の質が下がったことによる停止は、改善計画書を一度出せば終わり、というわけではありません。そのあとも指標を見続けて、体制がきちんと働いているかを確かめ続けることが大切です。
待っている間にできること
改善計画書を出したあと、結果を待つ時間は不安になりやすいですよね。ただ、この時間にできることはあります。体制を整え続けることが、そのまま次の安心につながります。
- 届いている問い合わせに、今の体制で返事を続ける
- 返事の記録を、日付ごとに整理しておく
- 改善計画書に書いた内容が、実際に行えているかを確かめる
- 対応する人の交代や、休みの日の見方を決めておく
- 外部にお願いしている場合は、返事の内容を読み返す
Amazonからの追加の連絡に備えて、メールや通知の確認も続けましょう。見落とさないように、確認する人と時間を決めておくと安心です。結果の時期はケースによるため、焦らず、できることを続けてみてください。
週に一度、5分ほどの見直しの時間をつくるのもおすすめです。見るところは、次のとおりです。
- まだ返事をしていない問い合わせの数
- いちばん返事が遅れた問い合わせと、その理由
- 同じ内容の質問が何度も来ていないか
- テンプレートの文章が、今の状況に合っているか
同じ質問が何度も来るときは、商品ページの説明を見直すことで、問い合わせそのものが減るかもしれません。問い合わせが減れば、返事の負担も軽くなります。小さな見直しを重ねていきましょう。
よくある質問
顧客対応が原因でアカウント停止になることはありますか?
「バイヤーからの信頼度の低下」を理由に止められることがあります。原因は、クレームの数そのものよりも、返事の遅さや対応の質の低下が続くことにある場合が多いです。ただ、止められる条件はケースによって異なります。
問い合わせへの返事は、何時間以内が目安ですか?
まずは、自分たちが守れる目標を決めることが大切です。たとえば「24時間以内」のように決める出品者が多いです。Amazonが求める基準は変わることがあるので、最新の公式情報も確認しておきましょう。
クレームを1件受けただけで、アカウントが止まりますか?
単発のクレームなら、大きな問題にならないことが多いです。ただ、それが積み重なると、アカウント全体の信頼性をはかる指標として見られることがあります。1件ごとに心配しすぎず、全体の流れを見ていきましょう。
カスタマーサポートを外部にお願いしても大丈夫ですか?
忙しい時期に、外部へのお願いや人の増員で対応するのは、よい方法のひとつです。ただ、お願いした先の対応の質が、そのまま自社アカウントの評価につながります。対応する時間や質の基準を、契約でしっかり決めておきましょう。
改善計画書には、顧客対応についてどう書けばよいですか?
具体的で、あとから確かめられる内容を書くことが大切です。たとえば、返事にかける時間の目標と、対応するスタッフを増やしたことなどです。実際に行っていることだけを書き、行っていないことは書かないようにしましょう。
返事の記録は、どんなふうに残せばよいですか?
カスタマーサポート用のツールやスプレッドシートに、問い合わせの日時・返事をした日時・対応の内容を書きとめておくと安心です。返事までにかかった時間や、まだ返事をしていない問い合わせの数も、見られるようにしておきましょう。
ひとりで運営していて、毎日は問い合わせを見られません。どうすればよいですか?
毎日、決まった時間にまとめて確認する形から始めてみましょう。見られない日が先にわかっているなら、代わりに見てくれる人を決めておくと安心です。
その際は、ログイン情報を共有するのではなく、Amazonの権限の仕組みを使うようにしてください。手順は変わることがあるので、最新の公式情報を確認しましょう。
注意点
この記事の内容は、停止を防いだり、再審査を進めたりするための一般的な考え方です。結果を約束するものではありません。Amazonの手順や画面は変わることがあるので、実際に進めるときは、最新の公式情報を確認してください。
また、改善計画書に書いた内容は、実際に行うことが前提です。まだ行っていない対応を書いたり、事実と違うことを書いたりするのは避けましょう。落ち着いて、事実にそった説明を心がけることが大切です。
まとめ
顧客対応の品質による停止は、一つ一つのクレームよりも、返事の遅さや対応の質の低下が続くことで起こりやすくなります。返事にかける時間の目標を決める、忙しい時期の体制を用意する、記録を残す。この3つが、防ぐための土台になります。
すでに止められた場合も、体制の変更を具体的に示し、そのあとも指標を見続けることが大切です。できるところから、ひとつずつ始めてみてください。